メモとペン
文章を書きたいと思い紙とペンを用意していた。
「あっ見つけた」
と文房具入れからガサガサ出して来た時には、さっきまで考えてたことが飛んでしまった後だった。
忘れた事は重要だった気もする。
ものの数分で忘れてしまう事は、
然程大事な事じゃないと
前の職場の上司に言われた言葉が反芻し
暫く懊悩した。
うんともすんともしないうちに
人間は忘れる生き物だから時間とともに記憶が失われる
というものだというそれっぽい心理学だ。
記憶に頼るのではなく重要なもの程、
メモや書くことをしなさいと
だいたいの記憶に関する自己啓発本や
ビジネス書に書かれてる事ではあるが、
今回ばかりはそのメモをとるまえに忘れてしまったのだ。
人間は忘れる生き物なのだと
会ったこともないエビングハウスがイメージの中でしっこい程語りかけてくる。
苛立ちすら覚えそうになったがその前に考えるのをやめた。
また思い出したら書けばいい。
紙とペンは持ち歩こう
と書き、紙とペンを持つ手を止めブログ書き起こした。
忘れるって本当になんだろうね。